広告を回しても、SEOに取り組んでも、なぜか問い合わせが増えない――。BtoB企業のマーケティング担当者から、こうした相談をよく受けます。
「集客」とひと口に言っても、その中身は幅広いものです。広告運用、SEO、SNS、展示会、メールマーケティングなど、手段は数多くあります。
厄介なのは、どの施策も「まったく効果がない」わけではないという点です。少しはアクセスが増える。少しは資料請求も来る。それなのに、事業として満足できる規模には育たない――。多くの企業が陥っているのは、こうした「中途半端にうまくいっているように見える」状態です。
この状態を放置すると、施策自体は間違っていなくても、投じた時間や予算に見合った成果が出ないまま時間だけが過ぎていきます。
Web集客がうまくいかないとき、原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なっていることがほとんどです。この記事では、BtoB企業のWeb集客でつまずきやすい10のポイントを整理しながら、どこから手をつければよいのかを解説します。
この記事でわかること
- BtoB企業のWeb集客が伸び悩む主な原因
- 広告やSEOなど、施策単体では解決しない理由
- 集客チャネルの役割分担の考え方
- サイト導線・フォームなど見落とされがちな改善ポイント
- マーケティングと営業の連携を強化する方法
- 集客施策を継続的に改善するための体制づくり
Web集客がうまくいかないのは「やり方」より「設計」の問題かもしれない
「集客がうまくいかない」と聞くと、多くの人はまず施策の実行方法を疑います。広告の出し方が悪いのではないか、記事の質が低いのではないか、といった具合です。
もちろん、実行の質が原因になっているケースもあります。ですが実際に企業のサイトや集客施策を見ていくと、それ以前の「設計」段階でつまずいているケースの方が圧倒的に多いのです。
目標数値が曖昧なまま施策を始めている。ターゲットが漠然としている。集客後の導線が考えられていない。こうした設計上の抜け漏れがあると、どれだけ広告費を積んでも、どれだけ記事を書いても、成果は頭打ちになります。
つまり、「Web集客がうまくいかない」という状態を改善するには、施策のテクニック以前に、何をもって成功とするか、誰に何を届けるかという土台を見直す必要があるということです。
BtoB企業のWeb集客がうまくいかない10の原因
ここからは、実際によく見られる10の原因を、優先度の高いものから順に見ていきます。自社の状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。
1.集客の目標が数字で語られていない
「もっと集客したい」という言葉だけで施策がスタートしていないでしょうか。
アクセス数を増やしたいのか、問い合わせ数を増やしたいのか、それとも商談化率を高めたいのか。目指すゴールによって、打つべき施策はまったく変わってきます。
目標が曖昧なままだと、施策の良し悪しを判断する基準もなくなり、「なんとなく効果があった/なかった」という感覚的な評価に頼らざるを得なくなります。まずは、何を、いつまでに、どれだけ増やすのかを数字で言語化することが出発点です。
2.ターゲットが「法人」という粒度で止まっている
BtoBマーケティングの相談を受けていると、「ターゲットは中小企業の経営者です」という説明で止まってしまっていることがよくあります。
実際に購買の意思決定に関わるのは、経営者だけとは限りません。現場担当者が情報収集をし、上司に稟議を通し、最終的に決裁者が承認する――。このように、BtoBの購買プロセスには複数の関係者が登場します。
「誰が最初に検索するのか」「誰が最終判断をするのか」を切り分けて考えられていないと、発信するメッセージが誰にも刺さらない、当たり障りのない内容になりがちです。
3.集客チャネルが一つに偏っている
「SEOだけ」「広告だけ」というように、単一のチャネルに依存している状態も、成果が伸び悩む要因のひとつです。
SEOは効果が出るまでに時間がかかる一方、成果が出れば継続的な流入が見込めます。広告は即効性がある一方、出稿を止めれば流入も止まります。SNSやメールマーケティングは、既存の接点を深める役割を果たします。
それぞれのチャネルには得意・不得意があるため、どれか一つに頼るのではなく、組み合わせて全体を設計する視点が欠かせません。
4.検索キーワードとサービスの相性を見ていない
SEOに取り組む際、検索ボリュームの大きさだけでキーワードを選んでいないでしょうか。
検索されている数が多くても、そのキーワードで訪れる人が自社サービスの見込み客とは限りません。たとえば「業務効率化」という言葉は幅広い企業が検索しますが、その中で実際に自社サービスを必要としている層はごく一部です。
アクセスを集めることが目的化してしまうと、集客はできても商談にはつながらない、という状態に陥りやすくなります。
5.サイトが「情報の置き場」になっている
意外と見落とされがちなのが、サイト自体の作りです。
会社概要、サービス紹介、実績、ブログ――。必要な情報は一通り載っているものの、訪れたユーザーがどこを見て、次に何をすればよいのかが分かりにくいサイトは少なくありません。
いわば「情報の置き場」にはなっていても、「行動を後押しする場」にはなっていない状態です。集客した後にどう動いてもらいたいかを起点に、サイト構造そのものを見直す必要があります。
6.広告とオーガニックの役割分担ができていない
広告とSEO(オーガニック流入)を、どちらも「集客手段」として同じ土俵で比較していないでしょうか。
広告は短期的な成果を出しやすい一方、コストがかかり続けます。SEOは時間がかかるものの、中長期的には資産として積み上がります。両者を対立させるのではなく、「今すぐ数字が必要な部分は広告で補い、中長期の基盤はSEOで作る」というように、役割を分けて考えることが重要です。
7.問い合わせフォームや入り口が使いにくい
せっかく興味を持ってもらえても、問い合わせフォームの入力項目が多すぎたり、見つけにくい場所にあったりすると、そこで離脱してしまいます。
「資料請求」「無料相談」「見積もり依頼」など、検討度合いに応じて入り口を複数用意しているか。スマートフォンからでもストレスなく入力できるか。こうした細部が、最終的なコンバージョン率を大きく左右します。
8.リード獲得後のフォローが手薄
集客の話をしていると、つい「問い合わせを増やすこと」がゴールのように語られがちです。しかし、問い合わせが来た後の対応も、集客活動の一部です。
資料請求から実際の商談までに時間がかかりすぎていないか、フォローのメールが定型文のまま送られていないか。BtoBは検討期間が長いからこそ、獲得したリードを育てる仕組みがなければ、集客の努力が途中で無駄になってしまいます。
9.追いかけている数字が売上に紐づいていない
ページビューやセッション数といった数字は、目に見えやすく、追いかけやすい指標です。ですが、それらが増えたからといって、必ずしも売上につながっているとは限りません。
最終的に見るべきは、問い合わせ数、商談化率、受注率といった、事業成果に直結する指標です。アクセス解析のダッシュボードだけを眺めていても、事業への貢献度は見えてきません。
10.施策が単発で終わり、改善が続かない
広告を出稿した、記事を公開した、フォームを改修した――。それぞれの施策は実行しているのに、その後の振り返りがされていないケースもよく見かけます。
Web集客は、一度の施策で完結するものではありません。やってみて、数字を見て、次に活かす。このサイクルを回し続ける体制がなければ、どれだけ良い施策を打っても、成果は一過性のもので終わってしまいます。
集客を立て直すための5つの打ち手
原因が見えてきたところで、実際にどこから手を付ければよいのか。優先して取り組みたい5つの打ち手を紹介します。
1.集客目標をKGI・KPIに分解する
最終的なゴール(受注数や売上)から逆算し、そのために必要な商談数、問い合わせ数、サイト流入数を数値として分解します。数字がつながっていれば、どの施策がどこに効いているのかを追跡できるようになります。
2.チャネルごとの役割を整理する
広告、SEO、SNS、メールなど、使っているチャネルをリストアップし、それぞれが「短期の数字を作る役割」なのか「中長期の資産を作る役割」なのかを整理します。役割が明確になると、予算の配分も判断しやすくなります。
3.サイト導線をユーザー視点で見直す
実際にターゲットになりきってサイトを見てみると、意外な使いにくさに気づくことがあります。トップページからサービスページ、フォームまでの動線を実際にたどり、離脱しそうなポイントを洗い出してみましょう。
4.マーケティングと営業の情報連携を強化する
獲得したリードの温度感や商談化の状況を、マーケティング側にフィードバックする仕組みを作ります。どのチャネル経由のリードが実際に受注につながっているかが分かれば、集客施策の優先順位も見直せます。
5.小さく試して振り返るサイクルを作る
いきなり大きな施策を打つのではなく、小さく試して結果を見ながら調整することが大切です。月に一度は数字を振り返り、次の一手を決める場を設けるだけでも、改善のスピードは大きく変わります。
SEOや広告だけでは、集客は安定しない
「SEOをやれば集客できる」「広告を出せば問い合わせが来る」というのは、半分正しく、半分誤解です。
SEOも広告も、あくまで「入り口を作る」施策にすぎません。入り口の先にあるサイトの導線、フォーム、フォロー体制まで含めて設計されていなければ、どれだけ入り口を強化しても、途中で人が抜けていくだけになってしまいます。
集客チャネルの強化と、サイト全体の設計、そして獲得後のフォローまで。この3つがそろって初めて、Web集客は事業成果につながっていきます。
Web集客とオウンドメディアの関係
Web集客の選択肢のひとつとして、オウンドメディアがあります。オウンドメディアは即効性こそ広告に劣りますが、コンテンツを蓄積するほど検索エンジンからの流入が積み上がり、広告費に依存しない集客基盤になっていきます。
もちろん、オウンドメディアも「戦略設計」がなければ機能しません。誰に、何を届け、どう問い合わせにつなげるのかという設計は、この記事で紹介してきた集客の考え方とまったく同じです。
オウンドメディアの戦略設計や費用相場については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
Web集客の見直しチェックリスト
自社の状況を振り返る際に、以下の項目をチェックしてみてください。
目標設計
- ☐ 集客の目標を具体的な数字で置いている
- ☐ ターゲットを役職・部門レベルまで具体化している
チャネル設計
- ☐ 単一のチャネルに依存していない
- ☐ 広告とSEOの役割を分けて考えている
- ☐ キーワードとサービスの相性を確認している
サイト・導線
- ☐ ユーザー視点でサイト導線を確認している
- ☐ 問い合わせフォームの使いやすさを確認している
運用・連携
- ☐ 獲得後のフォロー体制がある
- ☐ 営業とマーケティングで情報連携している
- ☐ 数字を振り返るサイクルが定着している
チェックが付かない項目が多いほど、施策の見直しよりもまず「設計」から着手すべきサインかもしれません。
うまくいかない原因は、たいてい一つではない
ここまで10の原因を紹介してきましたが、実際にはどれか一つだけが問題になっていることは少なく、複数の要因が絡み合っているケースがほとんどです。
だからこそ、施策を一つずつ試して当てずっぽうに改善するのではなく、目標設計からチャネル、サイト導線、フォロー体制までを一度俯瞰して見直すことが近道になります。
「うまくいかない」と感じたときこそ、目の前の施策をいじる前に、一歩引いて全体の設計を確認してみてください。
MEDIA BuildはWeb集客の「原因特定」から伴走します
MEDIA Buildでは、BtoB企業のWeb集客を、オウンドメディアを中心とした施策で支援しています。
広告やSEOなど個別の施策から入るのではなく、まずは現状のサイトや数字を確認し、
- 目標設計・KPI整理
- ターゲット・チャネル設計
- オウンドメディア・SEO施策
- サイト導線・フォーム改善
- 効果測定・改善の伴走
という順序で、集客がうまくいかない原因を一緒に特定するところから支援します。
「何を試してもうまくいかない」「原因がどこにあるのか自社では分からない」という企業様も、まずは現状をお聞かせください。
Web集客の課題を、施策単体ではなく全体設計から一緒に立て直します。
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よくある質問
Q1.Web集客はどのくらいの期間で成果が出ますか?
広告のように短期間で数字が動く施策もあれば、SEOやオウンドメディアのように中長期で成果が積み上がる施策もあります。目指すゴールによって、期間の見通しは変わります。
Q2.予算をかけなくても集客を改善できますか?
サイト導線の見直しやフォームの改善など、追加の広告費をかけずに取り組める施策もあります。まずは既存のアクセスを取りこぼしていないかを確認することから始めるのも一つの方法です。
Q3.広告とSEO、どちらを優先すべきですか?
すぐに数字が必要かどうかで判断が変わります。短期的な成果が求められる場合は広告、中長期的に集客基盤を作りたい場合はSEOやオウンドメディアが向いています。両方を組み合わせるケースも一般的です。
Q4.社内にマーケティング担当者がいなくても相談できますか?
はい。現状の課題整理から一緒に進めることができます。専任の担当者がいない企業様からのご相談も多くいただいています。
Q5.すでに広告やSEOに取り組んでいますが、見直しの相談もできますか?
可能です。既存の施策や数字を確認したうえで、どこにボトルネックがあるのかを整理し、改善の優先順位をご提案します。
まとめ|「集客がうまくいかない」は、設計を見直すサイン
BtoB企業のWeb集客がうまくいかないとき、原因の多くは施策のテクニックではなく、その手前にある設計にあります。
今回紹介した10の原因を振り返ると、
- 目標とターゲットが具体化されているか
- 集客チャネルの役割が整理されているか
- サイト導線やフォームがユーザー視点になっているか
- 獲得後のフォロー体制があるか
- 数字を振り返り、改善を続けられているか
という点に集約されます。
「何をやってもうまくいかない」と感じたときこそ、新しい施策に手を出す前に、一度立ち止まって全体の設計を見直してみてください。原因が見えれば、次に打つべき手も自然と見えてきます。
